繰り返しできるあごニキビの原因
繰り返しできるあごニキビの原因
目次
あごは大人ニキビが出来る場所として代表的な部位です。
ニキビでお悩みの人は、最初はおでこや眉間、頬の上部などにニキビが出来始め、それがだんだん頬の下部からあごなど顔の下の方に降りてきたという経験がある人が多いと思います。
早い人では小学生、多くの人が中学生や高校生の頃にニキビが出来た経験のある人は多いでしょう。
この時期の、いわゆる思春期の頃に出来るニキビは皮脂分泌が過剰になることが原因でニキビができることが多いので、ニキビができる場所もおでこや眉間などの皮脂腺が多く分布している場所にできやすいです。
そして年齢を重ねて思春期を過ぎると共にだんだんニキビができなくなってくる人が多いのですが、思春期を過ぎても相変わらずニキビを繰り返すような人は、ニキビが出来る場所がおでこや眉間からだんだん下に降りてくることがとても多いです。
このようなニキビのできる場所の変化はなぜおきるのでしょうか?
それは、ニキビの原因が変化しているためにニキビのできる場所も変化していることがとても多いです。
あごニキビの原因
おでこや眉間にできる思春期のニキビと違って大人ニキビの代表ともいえるあごニキビは、体の状態がニキビができやすい肌をつくっている場合が多いです。
体の状態の影響で肌の働きが低下するとニキビができやすい肌になってしまいます。
あごニキビに関連する肌の働き
肌には様々な働きがありますが、ニキビに関連する働きは肌の新陳代謝と不感蒸泄(ふかんじょうせつ)の働きです。
新陳代謝
肌は新陳代謝で毎日少しずつ入れ替わっています。
表皮の基底層で生まれた皮膚細胞は約14日間かけて有棘層から顆粒層へと細胞内でケラチン蛋白繊維を熟成しながら上行します。
顆粒層か角質層になるときには、細胞が潰れて細胞としては死んでしまうのですが、細胞内で熟成されていたケラチン蛋白繊維が角質層になり、その後も上行を続けて約14日目には角質層の一番上に達し、その後は垢となって剥がれ落ちて行きます。
基底層で皮膚細胞が生まれてから有棘層、顆粒層まで到達するまでに約14日間、その後角質層の一番上に到達して剥がれ落ちて行くまでにも約14日間、あわせて約28日周期で新陳代謝で入れ替わっている肌が健康な肌とされています。
不感蒸泄(ふかんじょうせつ)
人の体温は36.5℃が平熱とされていますが、実際には36℃から37℃位の間を上下しています。
体温は主に筋肉や脳、肝臓の活動によって産生されていますが、熱を産生してばかりでは体温がどんどん上昇してしまいますから、熱を逃がしている場所もあります。
温かい便やお小水が体外に出ることで熱を逃がしていますし、女性は生理という形でも熱を逃がしています。
それ以外にも肌や呼吸からも常に熱を逃がしていて、手に息をハァ~っと吐くと温かく感じますが、これは息を吐いた時に体内の熱が抜けているために手が温かく感じるのです。
同様に窓ガラスに息を吐きかけると曇りますが、これは体内の水分が抜け出ているためにおこります。
このように呼気からは熱と水分が一緒に抜け出ているのですが、これと全く同じ形で肌からも熱と水分が抜け出ています。
ゴムの手袋をしてみるとよく分かるのですが、手袋をしてしばらくすると中がびっしょりに濡れて蒸し暑く感じます。
これはゴム手袋をしたからおきるのではなく、手袋をしたことで肌から出た熱と水分が蒸発できずに手袋の中にこもるためにおきるのです。
このように肌から常に熱と水分を発散している働きを不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といいます。
あごにできる白ニキビの原因
肌の働きの低下による代謝が低下すると毛穴の目詰まりをおこして白ニキビが出来やすくなります。
肌の代謝の低下は水滞(すいたい)によっておこることが多いのですが、あごにばかりできる白ニキビの場合にはお血(おけつ)の原因によって肌に充分な栄養が供給されずに肌の代謝が低下していることが多いようです。
あごにできる赤ニキビや黄ニキビの原因
白ニキビの状態に熱のこもりが加わると炎症をおこした赤ニキビや化膿をおこした黄ニキビが出来やすくなります。
熱がこもりやすくなるのは、水滞(すいたい)によって肌周囲の血流が少なくなることで不感蒸泄(ふかんじょうせつ)で肌からの熱の発散が上手くおこなわれなくなることやお血(おけつ)によって熱を運搬している血液循環が活発におこなわれなくなることなどが影響します。
このような原因によって熱のこもりが強くなると炎症や化膿をおこした赤ニキビや黄ニキビができやすくなるのですが、あごにばかり繰り返し赤ニキビや黄ニキビができる場合には、水滞(すいたい)の原因によるものとお血(おけつ)の原因によるものが重なって熱のこもりが強くなっていることが多いです。
また一方、上半身の熱のこもりの強さとは逆に下半身の冷えが強くなっている場合があごニキビを繰り返す人に見られる特徴で、上半身の熱のこもりと下半身の冷えの温度差が大きいほど、あごに赤ニキビや黄ニキビを頑固に繰り返すようになってしまいます。
繰り返しできるあごニキビを治すためには
思春期ニキビでも大人ニキビでも、ニキビができるのには原因があります。
思春期ニキビの多くは、第二次性徴に伴う皮脂分泌の増加がニキビの原因で、これは年齢を重ねるにしたがって自然に落ち着いてきます。
しかし、いつまでも繰り返しでき続ける大人ニキビの場合にはニキビの原因が自然に落ち着いてくることは少なく、積極的に原因を取り除いていかなければいつまでもニキビを繰り返してしまいます。
繰り返しできるあごニキビを治すためには、複雑に絡みあうニキビができやすい肌になってしまう原因を特定し、それを取り除くことが必要です。
原因を取り除けば、ニキビを繰り返したりはしない肌にすることができます。