ピーリングでニキビが増えて悪化した!ピーリングではニキビは治らない?
ピーリングでニキビが増えて悪化した!ピーリングではニキビは治らない?
目次
大人ニキビ治療で人気の高いピーリングですが、ピーリングをした後しばらくはニキビのない快適な肌で過ごせても、しばらくするとまたニキビを繰り返すようになる人が多いようです。
せっかくピーリング治療をしても早い人だと数週間、長い人でも数ヶ月するとまたニキビがポツポツ出来始めてしまい、あっという間に元通りのニキビ肌になってしまうのです。
また、ニキビを治したくてピーリング治療をしたのに、逆にニキビが増えて悪化してしまう人も少なくありません。
どうしてピーリングをしてニキビが悪化したり、ニキビがなくなったきれいな肌を長続きさせることが出来ないのでしょうか?
ピーリング治療とは
ピーリング治療には酸性の薬剤を使って角質を溶かす”ケミカルピーリング”、微小ダイヤモンドやマイクロクリスタルなどで角質を削る”クリスタルピーリング”、レーザーを使用して角質を取り除く”レーザーピーリング”などがあります。
ピーリング治療とは肌の角質を薬品によって溶かしたり物理的に削り取ったりして角質を取り除く治療法です。
角質を取り除いて一時的に肌の新陳代謝を高めることがピーリング治療の効果ですが、肌への負担の大きな治療法です。
なぜピーリング治療をすると肌の新陳代謝が高まるのでしょうか?
肌の新陳代謝
基底層では毎日1つずつ新しい皮膚細胞が生まれています。
生まれた皮膚細胞は約14日間かけて有棘層→顆粒層へと上に進み、角質層になる時に細胞は潰れて死を迎えますが、細胞内で14日間かけて熟成されてきたケラチン蛋白繊維が角質になります。
角質になった後も下から新しく角質層になってくる皮膚細胞に押し上げられるようにして上に進みます。
角質層は約14枚重なり合っていますが、14日間かけて角質層の一番上まで来ると次の日には垢となって剥がれ落ちて行きます。
皮膚細胞が生まれて顆粒層まで上ってくるのに14日間、角質層になった後も一日1枚ずつ上に上ってやがて垢になって剥がれ落ちていくまでに14日間、あわせて28日周期で肌は入れ替わっています。
これが新陳代謝と呼ばれる肌の入れ替わりです。
ピーリング治療の作用
ピーリング治療をすると、本来一日1つずつしか生まれて来ない皮膚細胞が数倍から数十倍生まれるようになります。
肌の角質には、外部からのウィルスや異物が体内に侵入するのを防ぐバリア機能があります。
角質が10枚から14枚重なり合って角質層を形成していることで、ウィルスや異物が体内に侵入しにくい状態をつくっているのです。
ピーリング治療は角質を取り除く治療ですから、ピーリングを行うことで角質層が薄くなります。
角質層が薄くなってしまうとその分バリア機能が低下してしまいますので、そうなると薄くなった角質を早く補うために、本来一日1つずつしか生まれて来ない皮膚細部が一日に数個から数十個生み出され、通常の新陳代謝よりも遥かに早いスピードで角質を作り出し、角質層を元通りに修復して低下したバリア機能を回復させようとします。
このようにピーリング治療は、バリア機能を担っている角質が取り除かれるとそれを早く修復しようとするために一時的に新陳代謝が高まることを利用した治療法です。
ピーリング治療の大人ニキビへの効果
ピーリング治療をすると、一時的に肌の新陳代謝が高まります。
新陳代謝が高まると、大人ニキビにはどのような効果があるのでしょうか?
ピーリングをすると角質が取り除かれるので、ピーリングをおこなった部分全体の角質層が薄くなりますが、ニキビ部分の毛穴の出口を塞いでいた肥厚した角質やコメドも取り除かれて毛穴の出口が開き、ニキビ部分の毛穴の中に詰まっていた皮脂や角質が毛穴の外に出ることでニキビが治ります。
ピーリング効果の持続性
ピーリングをおこなうと、取り除かれた角質を早く元に戻そうとするために通常よりも遥かに早いスピードで新陳代謝が繰り返されます。
しかし、新陳代謝が活発な状態はいつまでも続くわけではありません。
ピーリングで取り除かれた角質層が元の状態に戻ってバリア機能が正常に戻ってくると、新陳代謝のスピードも元に戻ってきます。
もともと大人ニキビを繰り返している人の肌は肌の働きが低下して新陳代謝が正常におこなわれず、角質が堆積するように肥厚して毛穴の出口の目詰まりをおこしやすいので、ピーリング治療をして一時的に代謝が高まっても、それが通常の状態に戻ってくると、また角質が堆積して毛穴の出口の目詰まりをおこしてニキビが出来やすい肌に戻ってしまいます。
ピーリング治療後はニキビのない状態の肌がしばらく続きますが、数週間から数ヶ月で元通りのニキビ肌に戻ってしまう人が多いようです。
再びニキビが出来始めてしまうまでの期間は、もともとの肌の新陳代謝のスピードによって変わることが多いようです。
肌の働きの低下の度合いがそれほどでもなく新陳代謝のスピードもそれほど遅くなっていない肌では、比較的角質の修復も早く行われてその後毛穴の出口が肥厚し始めるのも早いため、ピーリング後数週間レベルで元のニキビ肌に戻りやすいですが、肌の働きの低下の度合いが大きい肌は、角質の修復にも時間がかかり毛穴の出口が肥厚してくるのにも時間がかかるため、ピーリング後のニキビのない肌状態も長く続くことが多いようです。
肌の働きの低下の度合いの小さな肌と大きな肌、どちらが重症かというと、低下の度合いが大きな肌の方が重症の大人ニキビです。
皮肉なことに、重症の大人ニキビの方がピーリング治療後のニキビのない状態が長続きするということのようです。
定期的にピーリングを繰り返せばずっとニキビのない肌で過ごせる?
ピーリング治療後しばらくしてニキビが出来始めてしまっても、その時にまたピーリングを繰り返せばニキビのない肌をずっと続けることが出来ると考える人もいるかもしれません。
しかし、それはお勧め出来ません。
ピーリングの治療を繰り返すと、肌に大きな負担がかかってしまうのです。
動物の体にある細胞の大半は、分裂できる回数に限りがあります。つまり寿命があるのです。これには、染色体の末端に位置するテロメアと呼ばれる配列が深く関係しています…中略…テロメアの長さは、細胞分裂の回数を測る尺度(分裂時計)として機能し、細胞の寿命を調節していると考えられています。ヒトではテロメアDNAが5000塩基くらいになると、細胞が寿命(分裂寿命)に達し、それ以上の分裂は起こりません。また、寿命に達しなくても、細胞がテロメアの長さで分裂時計の進行を感知することが老化につながっているとも言われています…
引用 Life Science Laboratory http://www.ueharazaidan.com/telomere.html
皮膚細胞にも分裂できる回数には限りがあります。
通常の状態で新陳代謝が行われる場合でも、少しずつ皮膚細胞の寿命は短くなっていくのです。
ピーリング治療で通常よりも遥かに多くの細胞分裂が行われると、遥かに速いスピードで皮膚細胞の老化をすすめるということになります。
これを繰り返すと肌の老化につながります。
肌が老化すると肌の代謝能力も低下してしまいますので、もともと肌の働きが低下してニキビが出来やすくなっている肌は、ピーリングを繰り返すことでさらにニキビが出来やすい肌状態になってしまう可能性が高いです。
ピーリングをしなくてもニキビを繰り返さない肌にするためには
ピーリング治療を繰り返すことはお勧め出来ませんが、ピーリングによって肌の新陳代謝が活発になると一時的にせよニキビが治るということは、大人ニキビ解消のための大きなヒントになります。
ピーリングを行わなくても肌の新陳代謝が活発に行われる状態を保つことが出来れば、ニキビがない肌でずっと過ごすことが出来そうです。
代謝を高めるためには、適度な運動をしたり、半身浴などで体を温めたり、体を温める働きのある食べ物を摂ったりして血流を高めることが大切です。
このようなことは日常の生活を見直すことで、今日からでもすぐに始めることが出来ます。
しかし、日常出来る代謝を高めることを続けても大人ニキビを繰り返してしまう人は、体の状態を整えることから始めなくてはならないかもしれません。
肌の新陳代謝が低下してしまっていて運動や半身浴などでは働きが活発にならない肌は、体の状態が肌の働きの低下の原因になっている可能性があります。
肌は体の一部ですから、体の状態を整えることで肌の働きを高めることが出来ます。
体の中の肌の働きを低下させてしまっている原因を取り除けば、ピーリングに頼らなくても肌の代謝も高くなりますから、ニキビが悪化したりすることもなくニキビのない肌でずっと過ごすことが出来るようになります。