ピルをやめたらニキビが悪化!ピルと大人ニキビと副作用
ピルをやめたらニキビが悪化!ピルと大人ニキビと副作用
目次
最近、ピルで大人ニキビの治療をしている人が増えているようです。
ピルとは本来避妊を目的とした薬ですが、ピルの持つ卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)をコントロールする働きがニキビが出来にくい肌状態にするために、大人ニキビの治療にピルが使われるようになったのです。
ピルには、含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)の量によっていくつかの種類があり、卵胞ホルモン(エストロゲン)が含まれる量が多い順に高用量ピル、中用量ピル、低用量ピル、超低用量ピルがありますが、用量の多いものほど副作用も出やすいため、ニキビ治療に使用されるピルはマーベロンやオーソ、トリキュラー、ヤーズなどの低用量ピルが使用されることが多いです。
女性の体 ホルモンの変化でニキビが出来やすい状態に
女性には約28日周期で生理が訪れます。
生理が始まった後に卵胞刺激ホルモンが分泌されて、刺激された卵胞が成熟し始めて卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されるようになって排卵がおこります。
排卵後には卵胞が黄体に変化して、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されはじめて体温が上昇する高温期に入って妊娠しやすい状態になります。
この期間に妊娠しなければ、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が徐々に減少していって再び生理がおこります。
生理周期に関係するホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)ですが、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が活発になると皮脂の分泌が過剰になり、毛穴を塞ぎやすくなってニキビが出来やすくなります。
なぜピルでニキビが出来にくくなるか
女性の体は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が交互に繰り返されています。
ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が少量ずつ含まれていて、ピルを飲むことでホルモンバランスを妊娠しているような状態にコントロールすることで排卵を抑制する働きがあります。
この働きによって黄体ホルモン(プロゲステロン)の活性が抑制されて、皮脂が過剰に分泌されなくなることでニキビが出来にくい状態になるのです。
ピルのニキビ治療が効かない人
ピルを飲むとすっかりニキビが出来なくなる人は多いですが、中にはピルを飲んでいるのに相変わらずニキビが繰り返し出来て止まらない人もいます。
ピルの服用でニキビが出来なくなる人は、皮脂分泌が過剰に分泌されることが原因でニキビが出来やすくなっている人です。
一般的にはニキビの原因は皮脂分泌の過剰といわれていますので、このタイプのニキビはピルの服用で皮脂分泌が抑えられて出来なくなります。
しかし、頑固に繰り返す大人ニキビの場合には、その原因が単純な皮脂分泌の過剰で無い場合がたくさんあります。
東洋医学的な考え方では、大人ニキビの原因は水滞(すいたい)やお血(おけつ)による肌の働きの低下ですから、このような体内原因から大人ニキビを繰り返しているような人は、必ずしも皮脂分泌が過剰になっているわけではありません。
体の中の原因によって肌の働きが低下して出来ている大人ニキビの場合、ピルを飲んでもニキビを繰り返してしまいます。
また、中にはピルを飲むとかえってニキビが出来やすくなってしまう人もいるようです。
先ほどのグラフを見ると、黄体ホルモンの分泌量が増えてくると基礎体温が高温期になることが分かります。
ピルを飲むとホルモンの状態は妊娠している時と同じようになり、基礎体温は低温期よりも少し高く、高温期よりも低い温度で一定になります。
つまり、基礎体温が少し上がることになるのです。
肌の働きが低下していて体の中の熱を上手く肌から発散できない人は、この体温の上昇が熱のこもりにつながります。
東洋医学的な考え方では、様々な要因によって肌の働きが低下するとニキビの初期段階である白ニキビが出来やすくなり、その状態に熱のこもりが加わると赤い炎症ニキビや化膿ニキビが出来やすくなると考えられています。
生理前の高温期にニキビが出来やすい人の肌を見ていると、本来黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で皮脂分泌が過剰になって毛穴が塞がって出来るはずの白ニキビよりも、赤い炎症ニキビや化膿ニキビが増えている人の方が多いように思います。
皮脂分泌が過剰になって出来るニキビは白ニキビのはずですが、生理前になると白ニキビを飛ばしていきなり炎症ニキビや化膿ニキビが増えるという人は高温期の熱のこもりが関係している可能性が高いです。
生理前の高温期ほどではなくても、ピルを飲むことで体温が少しでも上がると、もともと体の中に熱を溜めやすい人の場合には、白ニキビではなく炎症ニキビや化膿ニキビが増えてしまうこともあるのです。
ピルの問題点
ピルを飲むことでニキビが治る人の場合にも問題点があります。
ピルの治療でニキビが治っても、ピルを飲むのを止めてしまうとまたニキビを繰り返す肌になってしまうのです。
皮脂分泌が過剰な状態を抑制してニキビが出来にくい状態をつくっていたのはピルの薬理作用ですから、飲むのを止めてしまえばまた皮脂分泌が過剰になってニキビが出来始めてしまいます。
誰でもニキビが出来ることは嬉しいことではないので、ピルを止めてニキビが出来始めてしまえば、また飲み始めるようになるでしょう。
しかし、ニキビのためにいつまでもピルを飲むことはお勧め出来ません。
低用量のものにしてもピルには以下のような副作用があるためです。
- 精神的症状のうつ
- 頭痛、吐き気、倦怠感
- 乳房の張りや痛み
- 不正出血
- 眠気
- 体重の増加
- 静脈血栓
このような様々な副作用がありますが、ピルを飲んでいるとニキビが出来にくいからといって服用が長期に渡ると副作用の出る確率も高くなるでしょう。
特に静脈血栓の副作用は身体的な影響だけではなく、東洋医学的なニキビの原因のお血(おけつ)とつながるとも考えられます。
ピルを長期間服用していると、血栓まではいかなくても血液ドロドロのお血(おけつ)を引き起こして、ニキビの出来る場所がフェイスラインや顎のラインを越えて顎裏や首に下がってくる頑固なニキビに発展してしまうことにもなりかねません。
ピルを飲まなくても大人ニキビを繰り返さない肌と体に
ピルを飲むとニキビが出来なっても飲むのを止めるとまた出来始めてしまうのは、ピルにはニキビが出来にくい状態にする働きはあってもニキビを根本治療する働きはないためです。
大人ニキビを根本治療するためには、ピルに頼らなくてもニキビが出来てこない状態にしなくてはなりません。
大人ニキビを繰り返してしまう人には、必ずニキビの原因があります。
大人ニキビの原因は、体の状態がニキビが出来やすい肌をつくっている事が多いです。
体の状態を整えてニキビが出来にくい肌をつくれば、大人ニキビを根本治療することが出来ます。